その日は家の庭で何かイベントのようなものをやっていて、老若男女集まってとても賑やかでした。
色々な人に会えて楽しかった。
色々な人に会えて楽しかった。
お開きになると、よく晴れていた空に一瞬にして暗雲がたちこめました。
突然、空いっぱいに眩くビカッ!!と雷が光り、ものすごい轟音がしました。
突然、空いっぱいに眩くビカッ!!と雷が光り、ものすごい轟音がしました。
振り向くと、隣家に炎が勢いよく燃え広がっていました。
「おとなりが燃えてる!」と叫びますが、炎が家を焼く音と、雷に驚いた人々の悲鳴が響いていて誰の耳にも届きません。
両親は近くに居る人たちと何かを叫びあっています。誰も火の方を見ていません。
電話をかけるため家に入ろうとすると我が家も燃えていることに気づきました。
どうしてこんなことに。まるで悪い夢でも見ているようだ。
夢ならどんなに良いだろう。早く、今すぐ醒めて欲しい。
袖を口に当てながら居間へ入り固定電話で119番。パニックになり逃げ惑うクロネコをやっとの思いでケージに押し込めます。デカネコを見つけ抱き上げると、ぎゅっとしがみついてきました。
二匹を入れたケージを押して一緒に家の外に出ようとすると、ぐったりしたクロネコがケージの外にいるのを見つけました。
袖を口に当てながら居間へ入り固定電話で119番。パニックになり逃げ惑うクロネコをやっとの思いでケージに押し込めます。デカネコを見つけ抱き上げると、ぎゅっとしがみついてきました。
二匹を入れたケージを押して一緒に家の外に出ようとすると、ぐったりしたクロネコがケージの外にいるのを見つけました。
驚いてケージの中を見るとそこにもやっぱりクロネコはいます。
わけがわからぬままもう一匹のクロネコもケージに入れると、今度はデカネコの声が聞こえてきます。声のするほうに向かうとデカネコとクロネコがそこかしこに何匹もいるのです。どうして?
見つけた全ての猫たちを入れたケージを、ずるずると引いて外へ出ます。
集まっていた人達は殆どいなくなっていました。家族と親戚だけが残っていました。
「猫がいっぱい見えるの。ここに居るのはなに? 本当の猫たちはちゃんとこの中にいるよね?」
私が訊くと人々は言いました。
「そこに入って居るのは、全部、写真だよ」
写真?
…全部?
私の目には今も、ケージの中で生きて動いている猫たちが見えているのに。こんなに重たいのに。全部ただの写真? そんなことあるわけない。そもそも私は、猫の写真を現像したことなどないのだ。
いや、今はそんなことを考えている場合ではない。ともかく本物の猫を探しに戻らなければ。私が死んでも猫だけは助けなくては!
いや、今はそんなことを考えている場合ではない。ともかく本物の猫を探しに戻らなければ。私が死んでも猫だけは助けなくては!
振り向くと、何故か火は消えていました。